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山田はいるのか

無理だ。無理なんだ。

※閲覧注意
どうでもいい的な意味で


部室でゆっくりしていると急に部員の一人が問いかけてきた。部室の中には僕とその部員二人。その部員は典型的な女子高生とでも言えば良いのだろうか。僕にとっての典型的とは髪が短くて、染めてなくて口調も穏やかな人だ。
「ねえ」
僕はこういった質問のやりとりは結構慣れているから良いけど普通の人だったら驚くのかな。部室の中で何もしないで暇をしているときにこのやりとりは行われる。なんで部室なのに何もすることがないのか。とか聞かれると僕は困ってしまう人で、語るとめんどくさくなる。
「ねえったら」
彼女の質問は僕の知識では到底完璧に答えられそうにない。それでも僕に聞いてくるのは単に彼女が僕よりも浅はかなのか僕を騙しているのかよく分からない。
僕はゆっくりと振り向く。何も言わなかった。彼女は安心したような吐息を漏らし、更に話を続ける。窓を向いて椅子に座っていた。
「もしも世界の中の人々が田中だけになってしまったらさ。どうなる」
「なに田中って」
「田中という苗字以外誰もいなくなるってこと」
「非現実的だね」
「じゃあ現実的な質問に変える」
数秒の沈黙が過ぎた後、思い付いたように言う。
「世界中の殺人者連合がさ。一週間後に田中という姓以外を全員殺すと言ったらどうなる」
「まあ少しだけ現実的になったね」
その殺人者連合は田中しかいないんだろうな。となると日本の警察は忙しくなるな。とどうでもいい想像を巡らせる。
「よく考えたら日本の人口が世界一になるよね」
「世界一。いいね」
「そして世界中のあらゆるところにいる独身の田中の姓を持つ者に求婚してくる。実に変な光景になるよね」
大勢の人が血眼になって田中の表札を探し、押しかけて婚姻届に判子を押させる。一夫多妻制の場所なんか国家権力を使って人口を変えさせないかも知れない。今時そういうせいどは珍しいかもしれないけど。とにかくその一週間の田中さんはハーレムで幸せかもしれない。
って結構想像力働くもんだな。
でも感想を一つ漏らすに過ぎない。
「僕だけのんのんとしてそうだね」
僕の苗字は田中ですから。
「そう……」
納得がいかないようでまだ考え込む。大袈裟な仮定からちっぽけな結論を出したから仕方ないか。
「もしもその一週間に『苗字を第三者に譲ることができる』法律ができたらどうする」
「誰かに受け渡すんじゃない」
なにも考えずに僕は言った。あ、今失言したなとか思った。
「でもその前に僕は殺人者連合にいると思う」
「なんで」
「そんな馬鹿げた計画を破綻するために」
「でも駄目だろうね」
「だから多分誰かに受け渡す」
「……」
なんでと聞かない彼女を少し尊敬した。
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万次郎か
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